職業観セミナーしごと発見伝第二回製薬業界~エーザイ株式会社~

6月20日(水)、理学部Ⅴ号館5101教室にて、職業観セミナーしごと発見伝・第二回・製薬業界「エーザイ株式会社」が開催されました。対象は大学院・理学部・薬学部の全学科・全学年です。
今回の講師は、エーザイ株式会社の理事・知創部長高山千弘様です。
高山様は、東京大学薬学部を1982年に卒業した後、エーザイ株式会社に入社され、米国勤務等を経て、現在はHHC(ヒューマンヘルスケア)という企業理念の実現のために、知創部長として活躍されています。
講義は20分間のエーザイ株式会社の紹介ビデオから始まりました。
『全てのイノベーションは「共感」から生まれる』という考えの下、エーザイ株式会社では全ての社員が患者様の側へ行き、寄り添い、話を聴くことを徹底しているそうです。いわゆるPDCA(Plan,Do,Check,Action)ではなく、「S」PDCA(Socialization/共同化)がエーザイ株式会社の仕事のやり方だとおっしゃっています。
高山様のお話の中で具体例として挙げられたのは、「アリセプト」です。これはアルツハイマー治療薬で、日本で最も売れている薬です。その製造過程では、SPDCAに則り、アルツハイマー患者の話を聴くことからはじめたといいます。アルツハイマー患者の苦しみや辛さに共感し、患者様が心から必要としているものを汲み取っていくことが、研究開発の第一歩なのです。

人々の健康を第一に考えるエーザイ株式会社は、東日本大震災のときも、いち早く現地へ赴き、支援に乗り出しました。また被災した人々に少しでも前向きになってもらえるように、「希望新聞」も発行したそうです。
その他、小児がんや認知症といった様々な患者様の元へ赴いて話を聴いたり、孤児への援助等の支援活動も行なっているとのことです。

ちなみに、エーザイ株式会社の理念は、一橋大学名誉教授野中郁次郎先生の知識創造理論を基にしているそうですから、興味のある方は先生の著書『知識創造企業』(東洋経済新報社)を読んでみましょう。

次回の職業観セミナーしごと発見伝・第三回・化粧品業界「株式会社資生堂」は6月27日(水)、理学部Ⅴ号館5101教室にて開催します。皆さんのご参加お待ちしております。

by.y

投稿日:2012年06月20日00時00分| 投稿者: 管理者| カテゴリ: 共通イベント


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